香りから甘さがほとんど感じられず、アロマはすっきりとドライに仕上がっている。ストレートではスパイシーな香りが他の香りを封じ込めてしまっている感があるが、加水によってアロマの厚みが見えてくる。味は香りほどドライではないが、どちらかと言えば辛口な仕上がりだ。ボディが軽く、風味全体にやや平板な印象が残る点は否めない。余韻はドライで短い。

ここで紹介したダラス・ドゥ24年は、評価の難しいモルトだ。ややボディが枯れている点を除けば、大きな欠点がなくバランスが良い。だがこのモルトならではの特長は何かと問われたら、答えに窮してしまう。比喩的な表現で申し訳ないが、いわゆる『華』がないのである。印象が地味だと言うだけで、随分と損をしているようだ。