Glenfiddich
フルーティな食前モルト、「グレンフィディック」

フルーティですっきりしたアロマと、軽快なフレーバーと喉越しが持ち味のシングルモルト、それがこのグレンフィディックです。酒質が軽いせいでしょうか、モルト通からは軽く見られがちですが素晴らしいアペリティフになります。40年熟成や50年熟成のグレンフィディックが発売されていますが、それはすなわちこのシングルモルトの質の高さを証明していることに他なりません。半世紀もの熟成に耐えうるウイスキーというのは、とても限られているのです。2006年には、1937年ヴィンテージの64年物がリリースされたこともニュースになりました。

グレンフィディックは、世界でもっとも飲まれているシングルモルトとしても知られています。しかも30年以上、その座をキープしているのです。所有しているポットスティルも、スコットランドでは最多の28基を誇ります。また世界規模で見ても、スティルの数でグレンフィディックと肩を並べる蒸留所はありませんね。

蒸留所があるのは、スペイサイド地方のウイスキーの町ダフタウン(実際には‘ダフタン’と発音されます)。近くには同じオーナーが経営する、バルヴェニーとキニンヴィの両蒸留所があります。また敷地に沿って、キース・ダフタウン保存鉄道が走っていて、週末限定で運行されています。

オーナーのウィリアム・グラント&サンズ社は、現在4つのモルト蒸留所を所有しています。その中でもっとも歴史が古いのがこのグレンフィディックで、1887年に創業しました。その後にバルヴェニー、キニンヴィ、アイルサベイと続きます。またダフタウンでは、モートラックの次に古い蒸留所になりますね。グレンフィディックのシングルモルトが発売されたのは、ブレンデッドウイスキーが全盛だった1963年のこと。当時はまだ、シングルモルトというウイスキーは地元以外ではまったく知られていなかった時代で、グレンフィディックはまさにこのジャンルの草分けだといえるでしょう。

オフィシャルボトルは、さまざまな種類が出されています。ラインナップにはスタンダードの12年を始め、アイラカスクフィニッシュの12年クーランリザーブ、15年、18年、21年、そして30年があります。また限定ボトルとして、ノンチルフィルタリングのスノーフェニックス、新樽フィニッシュのリッチオーク14年、40年、50年、ヴィンテージリザーブ1978、1977、1975等が出されています。


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