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 午前中はボウモア蒸留所のイアン・マクファーソン氏をたずね、特別にウェアハウスを案内してもらった。目的は他でもない、昨日のスペシャル・テイスティングに参加できなかったことに対するリベンジである。飲み物の恨みは恐ろしい・・・?

 14時からはアードベッグの水源地探訪。これは往復に4時間半をかける、想像以上にハードなものだった。が、とてもいい経験になった。道なき道を登っていくわけだが、9割方は湿地帯で、乾いたところも牛や羊の糞だらけだったりする。なるべく水と糞のないところを探して、足を踏み入れることに煩労しなくてはならず、体力と同じくらい精神も消耗した。しかし水源地の水、すなわちマザー・ウォーターで割ったアードベッグは、さすがに旨かった。その感動は、ちょっと言葉で言い表わすことはできない。せっかくなので持っていたペットボトルに水を汲み、日本まで持って帰ってきた(長期保存できるように、その日のうちに煮沸しておいた)。その日の夕食はこの旅行で3度目のハーバー・インだったが、疲れた身体にはフレッシュな海のミルクがことのほか心地よく感じられた。

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